2008年11月21日金曜日

極めたものには・・・

私は、2年ほど前から能を習っています。
幼い時に観た薪能は、かなり退屈で、意味もわからないし、動きは少ないし、ツマラナイの一言でした。
なのに、2年前にある能楽堂で観た舞台に、私のDNAがムクムクと何かを感じてしまったのです!
私が能のお稽古に通い始めるのに、そんなに時間はかかりませんでした。

教本には、謡の内容(歌詞)と漢文のように歌詞の横に様々な記号が書いてあり、
音階を示してあります。
最初に師匠に教えていただいたことは、「考えないで、何回も何回も聞いて謡ってとにかく覚えろ!」でした。
能の世界では、私のような30代は、まだまだ子供。
自分の型にアレンジするのは、ず~~っと先の話で、今はとにかく型通りにやることを求められました。
そういえば、ある歌舞伎役者いわく、「『型破り』とは、型が完璧に出来た上で型に拘らず自分流にアレンジをすること。基本の型がろくに出来もしないのに、アレンジすることは『型なし』というのです」とのこと。
とにかく最初は、型通り出来ることが大切であり、今は必死に師匠の模倣ですが、
模倣するのに一番難しいのは、「間」のとり方。
カウントできない絶妙な間。実はこれがまことに気持ちがいいのですが、
この間を習得するには、呼吸をも真似するしかありません。
呼吸にフォーカスすると、色々と見えてくるものがあるのですが、
師匠の呼吸と間は、すごいんです。
師匠の舞台は、それはそれはすごい迫力で、声が大きいわけでなく、動きが激しいわけでもないのに、
とにかく存在がすごく大きいのです。

これは非常に勉強になります。
仕事をしていても、「間」がやけにいい人っていますよね?
黙っていても、なんだかすごいオーラが漂って、存在感がある人っていますよね?
理由なく、圧倒的に魅力的な人っていますよね?

能の世界と人生観には、多くの共通点があります。
きっと、一定以上極めるとパーソナルファンデーションが変わるのでしょう。

「極めたもには華がある」
華のある人間になりたいですね。

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