日々いろいろなビジネスパーソンと接していると、「空気を読まなきゃ」と過剰に気を使っているひとを多く見かけます。
そんなとき、ぼくは「場の空気は読まなくていいよ」と伝えます。
そもそも空気を読むってどういうことでしょう?
広く使われている意味としては、「その場にいる人間の気持ちや話の流れを汲み取り、それに合わせて適切に対応する」くらいの意味でしょう。
しかしこの「汲み取る」というのが実に厄介。「汲み取る」ということは、相手が主張しているわけでもないことを一方的に想像するということ。つまり、本当は相手が全くそんなことを思ってなかったとしても、勝手に想像して自分の行動に制約をかけることになるのです。
また、自分の行動や発言、意思決定などを「場の空気」に左右されてしまうので、行動に一貫性がなくなったり、自分が本当にやりたいことがわからなくなってしまったりします。しかもそれが、本当は相手が思ってもいないことを勝手に勘違いしてるだけだったりしたら最悪。誰にとってもメリットありません。これじゃあ、自分を幸せにする方法なんて考えにくいですよね。
場の空気を壊すのを恐れると、「言いたいことが言えない」「やりたいことができない」という状況になってしまう。でも、空気が読めない奴と思われて嫌われるのも嫌ですよね。
そこでぼくが提案したいのは、「場の空気を見える化する」こと。無理に読もうとせず、確認しちゃえばいい。
たとえば相手の気分を害してしまったようなときは、「あれ?いまちょっとムカついてる?」と言ってしまう。答えがYesでもNoでも、話が進みます。Yesだったり、Noと言ってる顔が仏頂面だったりしたら、素直に謝ってしまえばいい。お互い気を使ってギクシャクするよりよっぽどましです。
さらにお勧めなのは、「場の空気をつくる」こと。話の流れや相手の感情を、意識的にコントロールすることです。
あれ? それって「場の空気」を読まずにできるの? と気づいたあなたは鋭い!
もちろん、いずれも「場の空気を読む」ことが前提のアクションになっています。実はこれ、自分の認識が間違っていれば相手の反応でわかるのがポイント。
自分の意識的な行動に対して反応があれば、そこで学習が起こります。つまり「場の空気を読む力」がどんどん養われて行くのです。
「場の空気を読もう」だと、行動は受動的になり、フィードバックもありません。そうすると場の空気を読む力がつかない。「場の空気」を見える化したりつくったりすることで、自らの意思で「場の空気」に働きかけた方がずっとご利益があります。
あなたをとりまく世界は、あなたを縛るものではなく、あなた自身が変えるものなのです。