2008年10月22日水曜日

行動を変えることで意識を変えるすごいルール

ぼくはすごい会議のコーチのほかに、ビジネススクールや企業研修で講師をやっている。

ぼくの講義では、一番最初に「5秒ルール」という約束をとりつける。文字通り、講師であるぼくが質問したら5秒以内に手を上げるというルールである。これがとても評判がよくて、こんな感想を多くもらう。

・研修というと、どちらかというと聞き放しになることが多いので、まず5秒ルールが与えられた中で、 「まずは初回、自分の考えをアウトプットしてみよう」ということにチャレンジしてみました。

・5秒ルールびっくりしました。芳地先生は良い腕しているなーと思いました。気づけば分からないなりに、手を上げている自分がいました。弊社の会議もあの活気が欲しいものです。

・5秒ルールというのは斬新でした。まず短時間で何かを考え出すだけでも、パワーが必要だと実感しましたね。 今後とも何とか遅れずに講義&勉強会についていこうと思います。

・講義中の5秒ルール。手を挙げなかったときには、自分自身の中でどこかで考えるのを止めてしまっているのを感じました。

このルールのすごいところは「自信がなくても、答えがわからなくても手を上げる」というところにある。(もちろん、短時間でそれにコミットしてもらうには多少のコツが必要ですが)。

研修に限らず、学習効果を高めるには、能動的にインプット(聞く・読む)するとともに、自分なりの考えをアウトプット(書く・発言する)ことが不可欠。そしてこれは参加者もわかっていて、「効果を上げるために、積極的に手をあげて発言するのと、ただ聞いているだけなのとどちらがいいか?」と聞かれると、ほぼ全員が発言したほうがいいと答える。

しかしいい年をしたビジネスパーソンともなると、的外れな発言で恥をかくかも知れないということに対する抵抗感が相当に大きい。積極的に発言することが良いことだとわかってはいても、そのように行動できない。

するとどうなるか?

人間は矛盾に耐えられない動物なので、「良いとわかっているのにできない」のは「できない理由があるから」だ、という風に(きわめて自然に)考えつく。

残念ながら、行動を変えるより、それができない理由を考えた方が楽なので、多くの人はこう言いだすのだ。「自信がないから発言できない」「答えがわからないんだからしょうがない」「だいたいわかってるけど言葉にならないから、誰かの意見を聞こう」・・・

しかしながら、試しに5秒ルールに乗っかってみた人はすぐに気づく。「やってみたらできた」「やってみたら自分の不十分なところが明らかになった」「手を上げられない自分と向き合って改善点がわかった」などなど。

「自信がないからできない」

自分の口からそんな言葉が出てきたら、5秒ルールでチャレンジしてみてほしい。だって、チャレンジしたことがないのに自信などできるはずもないし、何度もやってみてうまくいったら自信も持てる。自信がないことを「できない理由」にしている人は、残念ながら、一生できるようにならない。

もしかしたら一生できなかったかもしれないことを、5秒でやってしまえる。これがルールの力だ。

行動を変えるには、出来ない理由を苦労して克服する必要なんてない。やっちゃえばいいのだ。


ほうち@インスパイラル

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