2008年10月8日水曜日

すごいコーチは本気で約束を守る

ある日、クライアント先でのこと。

その日は「すごい会議」のDay3。Day1・2で定めた高い目標とコミットメントに関して起こっている問題を解決する4時間セッションだ。セッション10分前に会議室に入ると、社長秘書さんが会議の準備をしていた。世間話をしながら今日の資料を取り出し、並べ始めたところでこう言われた。

「ほうちさん、今日2人欠席なんですよ」

すごい会議では、何よりもこの会議を優先すること、常にオンタイムで全員が集まることを約束する。実際、この前のセッションではその約束を書いた紙に全員が署名していた。約束は、さっそく破られた。

ぼくはすぐに、机にならべた資料を回収し始めた。そこに社長が登場。

「社長、今日2人欠席だそうですが、このままやりますか?」
「ああ、やむを得ない事情なので、問題ないです。やりましょう」

すごいコーチなら、こういうときどうするか?
もちろん、約束を破ることを許さない。

「問題大ありです。ぼく今日セッションやりたくないんですけど。ここで約束を破ることを許せば、全員がコミットした戦略的フォーカス(短期的な目標)が、期限直前になって“やむを得ない事情”でできなくなる可能性が極めて高くなります。今日は中止でお願いします」

「・・・・わかりました。みんな、今日は中止ということで」

そのあと、別室で1時間社長と話した。そこで明らかになったことは、会社にとって最も重要なことに関して、常に“できない理由”として立ちはだかっている真実。幹部全員がどうにもできないと思っていたそのことが、このチャンスにどうにかできると、この会社にとって極めて大きな価値がある。結局、その問題の解決を社長がコミットしてミーティングは終わった。ぼくが迷わずにキレたことは、結果として、大きな価値をもたらした。

クライアントがつくった目標の達成に、クライアント以上に本気になれるか。顧客を失うリスクを冒してでも、原則を曲げない姿勢を貫けるか。それができなければ、「私はすごいコーチ」とは言えない。

ぼくがすごいコーチとしてひとつ成長できた1日だった。

0 件のコメント: